学びのコミュニティ創出支援事業
理工学部 谷田研
ジョブカレ
名古屋市天白区に開校した福祉型カレッジの空間デザインに携わるプロジェクト。
障がいのある人の学びの場に、なにが必要か考えて、自分たちの手で形にしていく。
カレッジの人たちとともに壁面のDIYにチャレンジした理工学部建築学科?谷田研究室の3年生の取り組みをご紹介します。
理工学部 3年 中原 萌々子さん
理工学部 3年 羽場 駿也さん
理工学部 3年 早津 菜央さん
2021年春、名古屋市天白区に障がい者の学びを支援する福祉型カレッジ“JOBs COLLEGE”が開校しました。通称“ジョブカレ”。18歳以上の障がいのある方が、自立や就労に向けてスキルやメンタルを養う学校です。開校の場として選ばれたのは、以前は塾だった空き物件。開校前はなにもない殺風景なただの箱状態でした。そんな建物の空間デザインし、作り上げていったのがこのプロジェクトです。「どんなものが必要か」「福祉カレッジならではの考慮すべき点は」。学生たちが設計段階から関わった机や椅子が、実際に校内で使われています。そんな中で、春にゼミに加わったばかりの3年生たちは、壁面のデザインを任せられました。
初めて足を運んだジョブカレの建物は、なにもない閉鎖的な印象を与える場所だったといいます。「ここを明るくて、自信を持って学べる場にしたい」というのが谷田研究室に投げかけられたニーズ。障がいを持つ人たちにとって、居心地よく学べて、自信をつけるきっかけになる場所にする。そのためになにが必要か、ゼミでアイデアを出し合い、検討を重ねました。3年生も意見を出し、ブラッシュアップに参加。ジョブカレの運営者の方々とのやりとりでは、福祉カレッジゆえの配慮についても気づきがあったといいます。
「こうしたら便利だろう、見栄えが良くなるだろうと考えたアイデアが、自分たちの想定通りとは限らない。例えば、車椅子の移動の妨げになるとか、障がいのある方にとって高さが合わないとか。非常ボタンなど、デザイン重視なら隠れるようにするものも、『押してはダメなもの』だと学ぶためにあえて見えるようにしておく。普段の設計とは違う視点を持たないといけないのだと学びました」という早津さん。
温かみのある空間にするために、木製の机や椅子、柱などを採用。ゼミでの検討に基づいてデザインが決まり、学外の大工さんにも協力してもらい、学生たちも組み立てに携わりました。谷田研究室では家具などの製作に携わる機会も多く、そこに魅力を感じてゼミを選んだという3年生の声も。5月から6月にかけて作業が進められ、殺風景だったジョブカレが徐々に変わっていきました。
毎日、通学時にジョブカレの横を通るという中原さんは「自分たちが作ったものを使ってもらえているのがすごく嬉しいです。住んでいるまちの建物のデザインに関われているってワクワクしますよ」と笑顔で語ってくれました。
ジョブカレのプロジェクトで、3年生には2階の壁面デザインが任せられました。伝統工芸を学んだり、作品づくりをしたりするアトリエの横の壁。作品を飾れるスペースにしたいという要望に対して、どのような仕立てにするかそれぞれが考えました。一人ひとりの描いたスケッチをもとに、アイデアを出し合って、設計を固めていきます。ただイメージを膨らませて図面に落とし込むだけでなく、実際に施工まで行う。だからこそ、きちんと地に足のついた構想が不可欠です。さらに、施工は自分たちだけでなく、カレッジの人たちも一緒にということでした。
羽場さんは、「みんなで作るとなると作業が難しくなりすぎてはいけません。木材の加工もシンプルな方がいいし、特殊な部品も使わない方がいい。それから、製作方法を分かりやすく説明する必要もあるので、どう伝えるかもあれこれ考えないといけない。作り方だけでなく、現場への材料の運搬についても考慮して、設計が仕上がっていきました。デザインを形にする上で、ディティールまで考える難しさと大切さを体感しています」と語ります。
最終的に、棚板の取り外し入れ替えができて、ものを置くことも掛けることもできる、飾り棚として柔軟に利用できる壁面の設計が完成。次は、ジョブカレの人たちとのDIYへと進んでいきます。
「学校の課題で設計はするけれど、形にできる機会はほとんどありません。しかも、一度設計して終わりではなく、実際の施工を想定して構想を練り上げていける。一歩ずつより良いものにしていけるのは貴重な経験です。壁を作りながら気づく点もあると思うので、できる限りの改善を加えていけたら」と羽場さんは意気込みます。
さて、どんな壁が出来上がっていくのでしょう。DIYの様子はまた改めてご紹介させていただきます。
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