トップページ/ニュース 経営学部 山岡ゼミの学部生による研究が査読論文として学会誌に掲載

  • 学会賞授与式後の記念撮影 学会賞授与式後の記念撮影

経営学部の山岡隆志教授のゼミ生による論文「擬態語?擬容語?擬情語の畳語が広告効果に及ぼす影響-流暢性と情報性の視点から考える日本語表現の可能性-」(原愛美さん(経営学部4年)、山岸愛梨さん(2025年3月経営学部卒)、伊藤羽那さん(経営学部4年)、沖田祐依さん(同))が、2025年7月31日付けで、日本マーケティング学会の学会誌『マーケティングレビュー』に査読論文として掲載されました。

本研究は、2024年10月に開催された日本マーケティング学会ポスターセッション2024で発表され、「U24ベストポスター賞」を受賞。さらに、2025年3月に開催された日本マーケティング学会三都市カンファレンス2025では、フルペーパーの査読を経て口頭発表に採択され、「U24ベストオーラルペーパー賞」も受賞しました。学部生としては稀なケースとなる、学会誌における査読論文掲載となりました。

広告クリエイティブ制作に有益な示唆を与えた

  • 研究内容を学会で発表している様子 研究内容を学会で発表している様子

筆頭著者の原さんは、「山岡先生から個人的な興味や関心事をテーマにするとよい」というアドバイスを受け、コンビニなどの広告でよく見る「ふわふわ」「すやすや」「ワクワク」といった擬態語?擬容語?擬情語に着目。これらの畳語をテーマにし、広告効果に与える影響を研究しました。これまで、こうした畳語が購入意向に及ぼす影響を明らかにした研究は少なく、本研究では広告の内容や商品特性に応じて、適切な表現を選択し使い分けることの重要性を提示しました。日本語表現を扱う広告研究に新たな視点を提供し、広告クリエイティブ制作における企業やマーケターへの有益な示唆を与える研究として評価されました。

原さん「レベルの高い論文ができ自信になった」

2024年10月の学会発表から次の学会までの約半年間にわたり、提出要件となっていた論文化に取り組みました。学会に提出するレベルの学術論文を執筆するのは初めての経験であり、求められる論理構成や論文としての精度の高さに苦労されたそうです。

その後、学会発表が高く評価され、学術誌への査読論文としての掲載に向けた取り組みが始まりました。さらに約半年間にわたり、査読者からの指摘を受けながら、論文の高度化を図る作業が続きました。その高い精度に応えるために、すべてのデータを見直し再計算を行い、正確性を確認しました。また、論理展開や考察に不十分な点があった箇所については、内容の根本から見直しを図りました。学術論文として、投稿規定に細かく定められた内容を正確に理解し、定められた表記ルールにおいても、一字一句の誤りが許されない厳密な記述に仕上げることに大変苦労と言います。
原さんは「頭の中は論文のことでいっぱいでした」と語り、メンバーと確認を重ねながら、山岡教授とも頻繁に連絡を取り合っていたといいます。そして、「山岡先生と、3月に卒業された山岸先輩が本当に支えてくださったおかげです。二人がいたからこそ、完成させることができました」と感謝の言葉を口にし、「簡単なことではありませんでしたが、レベルの高い論文を仕上げられたことで自信になりました」と目を輝かせました。

山岡教授は「この研究テーマは、原さんが2024年4月に最初に持ち込んだもので、私たち研究者が取り組むに値する、学術的にも実務的に意義のある興味深いテーマだと直感したことを、今でも鮮明に覚えています。テーマに力があったからこそ、2度の学会賞受賞と査読論文掲載という形で、着実に実績を積み上げることができたのだと思います。日頃から論文を読み、研究のセンスを磨きながら、テーマを探究し続けた自学自習の姿勢、そして、論文掲載に至るまでの1年以上にわたる取り組みのすべてが、自主的な挑戦によるものでした。その前向きな意思と、地道で着実な努力の積み重ねが、今回の成果につながったのだと感じています」と話しました。

出所:マーケティングレビュー, 6(2), 68–74(https://doi.org/10.7222/marketingreview.2025.010)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/marketingreview/6/2/6_2025.010/_article/-char/ja/

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