PROJECT SUMMARY
どんな活動?
「地域共創隊WITH」は、2023年に岡崎市の中山間地域の関係人口づくりにボランティアとして参加したことから始まったプロジェクトです。「関係人口」とは、その場所の定住者や観光客ではないものの、その地域に深い関心を持ち、継続的に関わっていこうとする人々のこと。例えば、ボランティアやイベントの参加者、ふるさと納税をする人などが該当し、少子高齢化が進む今日、地域の活性化を図るためにはこの関係人口をいかに増やすかが重要な課題となっています。現在、地域共創隊WITHでは、さまざまな地域と連携しながら、関係人口を増やすための施策を探し続けています。
WHAT WE LEARNED #01
OBから話を聞き、リアルな地域おこしについて学ぶ
「地域共創隊WITHの主な活動は、地域活性化に取り組む方から話を聞くことと、関係人口に関する学習会を開催することです」と語るのは代表の佐藤さん。
2024年は活動のテーマを「知る?伝える?結ぶ」と定め、さまざまな勉強会を開催して情報収集を行い、自分たちにできる地域活性化の方法を模索。その後、この問題に関心が薄い周囲の学生に対してどのように伝えれば理解してもらえるかを考えていきました。
情報収集として最初に行ったのは、大发体育官网_澳门游戏网站OBとのトークセッションでした。このOBはナゴヤドーム前キャンパスに近い名古屋市?大曽根地区の地域おこしに関わっており、地域おこしに関わる人たちがどんな思いとどんな覚悟で活動しているかというリアルな話を聞かせてもらいました。
「この時は、きれいごとだけでは続けられない地域おこしの実態を学び、活動に向けて決意を新たにすることができました」と白井さんは語ります。
WHAT WE LEARNED #02
定住者わずか1人、関係人口200人の町を訪ねる
夏休みには、石川県加賀市山中温泉大土町(やまなかおんせんおおづちまち)で行われたワークキャンプに参加。同町は定住人口がわずか1人という過疎地にもかかわらず、200人もの関係人口を持つという、全国的にも知られたユニークな地域です。実際に定住している方の自宅を訪ね、なぜこれだけの関係人口を確保できているのかという秘密を探りました。

「最も大きな要因は、定住する人の人柄でした。この人に会うと、またこの場所に来たくなる。そんな人間的魅力こそが地域の魅力に直結しているということを知りました」と佐藤さん。
また、この地域では放置された竹林が生態系や農地に悪影響を及ぼす「竹害」が発生しているという話を聞き、少しでも竹の被害を軽減する手助けをするため、大土町で伐採した竹材を持ち帰り、大学祭で箸づくりのワークショップを開催。ワークショップで行われたのは竹を無心に削るという単純作業でしたが、その中で参加者同士に会話が生まれ、期せずして見知らぬ人同士が交流できる場になりました。
「多くの参加者から、とても楽しかったという声をいただくことができました。竹害の対策として始めた竹箸づくりでしたが、偶然にも人と人とをつなぐ機会になったことは大きな発見でした」と白井さんは振り返ります。この成功体験は、今後の活動にとって大きな財産となるはずです。
WHAT WE LEARNED #03
自分たち自身が関係人口として活動していく
今日では、地域の関係人口を増やすという目標から一歩踏み出し、自分たち自身が関係人口となって地域を支えるという活動にも積極的に取り組んでいます。その一環として定期的に行っているのが、大曽根商店街の町おこしイベントのお手伝い。前述のトークセッションに参加してくれたOBの紹介で始められたもので、メンバーは定期的に開催されるマルシェや縁日などのイベントにボランティアで参加し、子どもたちが作った折り紙の作品を販売したり、ボランティアに配る食事を作ったりというお手伝いをしています。
その中で、彼らはキャンパスでは出会えない人とたくさん出会い、貴重な体験を積み重ねています。
「この活動で出会う人は、みな大曽根商店街に対して熱い思いと深い愛着を持っておられます。だから、語り出したら止まりません。そんな方と話をしていると、僕たちがお手伝いをしたり何かを学んだりしているというよりも、単純にこの人たちともっと関わっていたいと思えるような人ばかり。やはり、人間の魅力は街の魅力だと確信しました」
こうして実際に多くの人と出会うことで、知識や視野が広がっていると佐藤さんは語ります。

NEXT STEP
もっと多くの人と地域を結んでいきたい

2024年を振り返ると、三つの活動目標のうち「知る」と「伝える」は達成できたものの、「結ぶ」については十分な活動ができていなかったと佐藤さんは考えています。
「特に、これから本当に地域活性化の担い手となるのは高校生をはじめとする地域の若者です。今後は、地域で生活する高校生に、地元の魅力を感じてもらうための活動にもっと力を入れていきます」と佐藤さん。
そのために、これまで以上に地域で活躍する団体やNPOなどとの連携を強めていきます。現在、その手始めとして、彼らと山中温泉大土町をつないでくれたNPO法人と共同で学生を対象とするワークキャンプのパッケージを企画しました。
「僕らもそうでしたが、地域おこしに関わったことがない学生にとって、ワークキャンプとはその地域に暮らす人に触れ、魅力を肌で感じる良い機会です。それだけに、関係人口になるための良い入り口になると信じています」。
最初は3~4泊の短期キャンプから試し、試行錯誤しながら少しずつ規模?内容ともに充実させていく予定。今後も彼らは、少しでも多くの人を地域おこしに巻き込むための活動を続けていきます。