移行用/ニュース 女子駅伝部員の前で名古屋学芸大学の田村ゼミ生が研究発表  2009年以来、部員の快走を食事でサポート

  • 富士山駅伝で喜びを分かち合う田村ゼミ生ら(左端は田村教授)と米田勝朗女子駅伝部監督(右) 富士山駅伝で喜びを分かち合う田村ゼミ生ら(左端は田村教授)と米田勝朗女子駅伝部監督(右)
  • 女子駅伝部員の前で研究成果を発表する田村ゼミ生 女子駅伝部員の前で研究成果を発表する田村ゼミ生

昨年末の2015全日本大学女子選抜駅伝競走(富士山女子駅伝)で準優勝を飾った女子駅伝部を食事面で支えてきた名古屋学芸大学管理栄養学部の田村明教授(1974年本学薬学部卒)のゼミ生が1月30日、本学天白キャンパス共通講義棟東301講義室で、部員らを対象にした研究の成果を発表しました。
田村ゼミは2009年から、天白キャンパス近くにある女子駅伝部寮の朝夕の献立を作り、夕食は調理をして部員の体づくりを担ってきました。全国大会では一緒に遠征し、レース前の食事も作ってきました。選手にとっては貧血の症状が少なくなるなどの効果が表れ、管理栄養士を目指すゼミ生にとっても実践の場になっています。お互いにメリットのある関係が継続してきました。
研究発表は、ゼミ生から駅伝部員へのフィードバックの意味合いをもち、2年目から毎年実施しています。この日は、ゼミの女子学生が4人ずつのグループで、「大学女子中距離選手の月経異常~Energy availabilityとの関連~」「健康管理~食事面からのサポート~」のテーマでそれぞれパワーポイントを使って発表しました。
前者は、月経状況とEnergy availability(正常な代謝をもたらすために必要なエネルギー量)、体脂肪率との関係を検討しました。後者は選手18人への食事や補助食の提供と各選手の血液検査の数値を考察しました。質疑応答では、貧血予防に欠かせない鉄分の体内への吸収効率などの質問が挙がりました。食物に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「無機鉄(非ヘム鉄)」があり、肉や魚などの動物性食品に入っているヘム鉄の方が、野菜や海藻などの植物性食品に含まれる無機鉄より吸収されやすいという説明もありました。
ゼミ生の浜本桂さん(4年)は「富士山駅伝で感動のレースを見せてもらい、私たちもいい経験ができました。一生の思い出になりました。私たちは卒業しますが、駅伝部をずっと見守ります」と名残を惜しみました。駅伝部の藤田衆部長(法学部教授)は「毎日の食事のお世話にこれ以上ない感謝をしています。ゼミの活動としても抽象論でなく、日常接している選手たちを対象にした実験をもとに理論化したセッションで、非常にいい勉強として仕上がったと言えるのではないかと思います」とまとめました。
両者のコラボレーションは今後も続きます。駅伝部は近年敵なしの立命館大学を破って日本一になることを目標に掲げています。

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ