トップページ/ニュース ノーベル賞の期待がかかる吉野彰教授が記者と懇談

リチウムイオン電池を手にする吉野彰教授 リチウムイオン電池を手にする吉野彰教授
記者に囲まれ懇談する吉野教授 記者に囲まれ懇談する吉野教授

電気自動車やスマートフォン、パソコンなどに使われている「リチウムイオン電池」の開発者の吉野彰大学院理工学研究科教授(70)が9月13日、天白キャンパス校友会館で、記者と懇談しました。11社から26人が出席しました。

ノーベル賞候補とされる吉野教授は記者会見で、「ノーベル賞はヨーロッパの伝統的な文化セレモニーだと思う」と、その位置づけを示し、ヨーロッパではモバイルITの電源としてのリチウムイオン電池にはあまり関心が向いていない一方で、車載用のリチウムイオン電池には関心をもたれるという「文化」を語りました。

吉野教授は2017年7月に着任。今年4月から大学院生約20人を相手に毎週月曜日の1時限目、「エネルギー環境材料工学特論」の講義を受け持っています。会見の質疑応答では、企業研究者から転じて大学で講義をする感想を聞かれ、「双方向の講義をしている。学生の声を直接聞く機会が得られた。まじめな学生さんが多い。私にとっても役立つ」と答えました。

モバイル社会の進展に多大な貢献をしてきたリチウムイオン電池。電気自動車にワイヤレスで電気を送る技術を想定し、「電池をワイヤレス給電に対応するようにしなければならない」と、さらなる社会変革の姿を描きました。

吉野教授は会見後、記者と懇談し、趣味やカラオケの持ち歌など幅広い問いかけに気さくに答えていました。趣味は毎週土曜日に自宅近くでテニスを楽しむことです。最近感動したことを問われると、テニスの全米オープン女子シングルスで優勝した大坂なおみさんを挙げ、「研究開発によく似ている。柔軟性と剛直性のバランスが難しいから」と類似性を説明しながら、大坂さんは両方を兼ね備えるようになって栄冠を手にしたと評価。「研究開発をしたら、ええ仕事をすると思う」と、関西弁を交えて褒め、記者たちを笑わせました。

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