在学生?教職員/ニュース 農学部環境動物学研究室の木下さんが科学絵本雑誌のイラストを担当

木下さんが描いたイラスト(「たくさんのふしぎ」11月号から、福音館書店提供) 木下さんが描いたイラスト(「たくさんのふしぎ」11月号から、福音館書店提供)

行動生態学の研究者とイラストレーターの「二刀流」

  • 「たくさんのふしぎ」を手にする木下千尋さん 「たくさんのふしぎ」を手にする木下千尋さん

本学農学部環境動物学研究室に所属する日本学術振興会特別研究員で、イラストレーターとしても活動している木下千尋さんが、小学生向け科学絵本雑誌の人気シリーズ「たくさんのふしぎ」11月号「なぜ君たちはグルグル回るのか 海の動物たちの謎」のイラストを担当し、10月3日、福音館書店から発売されました。

木下さんは行動生態学が専門で、東京海洋大学でクジラやイルカ、東京大学大気海洋研究所ではウミガメの潜水行動を研究し、今年4月から所属する環境動物学研究室では海鳥の「オオミズナギドリ」の研究を進めています。その傍ら、大学生のころから「きのしたちひろ」名義でイラストレーターとしても活躍する「二刀流」で、学術論文や研究?教育機関の書籍の図解、児童書の挿し絵などのイラストを手がけています。

月刊誌「たくさんのふしぎ」は1985年の創刊で毎号、第一線で活躍する研究者や専門家が執筆し、人気があった号は単行本にもなっています。木下さんには約2年前にイラストの依頼があり、「私もこれを読んで育ったのでうれしかった」と振り返ります。研究の合間を縫って昨年夏からラフを本格的に描き始めて完成させました。

海洋動物の「謎のグルグル回る行動」を紹介

11月号は、ウミガメやクジラなどの海洋動物にみられる「謎のグルグル回る行動」を、大学教授と大学院生2人が極地や熱帯などに調査に出かけて探っていくという内容です。文章は木下さんの東京大学大気海洋研究所時代の恩師の佐藤克文教授が担当し、木下さんは子どもたちに親しみやすいタッチながらも正確に数々の生き物たちや調査?研究の様子を表現しています。さらに、イラストを描くだけでなく、「熱帯では毎日毎食バナナばかり食べていた」といった調査旅行に出かけた際の「研究者あるある」のエピソードも盛り込むなど、全体の構成にもかかわっています。

11月号を手にして「論文が受理されるのと同じぐらいうれしいです」と喜ぶ木下さん。「なぜ動物たちがグルグル回るのかの答えはこの本の中にはありません。まだまだ解明されていない動物たちの謎はたくさんあります。未来の研究者の皆さん、一緒に解き明かしていきましょう」と呼び掛けています。

「たくさんのふしぎ」11月号は本文40ページで定価は税込み770円です。

大学教授と大学院生が登場 大学教授と大学院生が登場
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