トップページ/受賞 農学研究科の森 玲香さんが日本生物工学会大会で学生優秀発表賞を受賞
| 受賞者 |
森 玲香さん(農学研究科農学専攻博士課程2年、加藤雅士教授?志水元亨准教授研究室) |
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| 受賞名 |
第77回日本生物工学会大会 学生優秀発表賞 |
| 受賞日 |
2025年10月6日 |
| 受賞テーマ |
白色腐朽担子菌 Phanerochaete chrysosporium 由来新規 Vanillate 1- Hydroxylase の機能?構造解析 |
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バイオテクノロジーに携わる幅広い分野の研究者が成果を発表する第77回日本生物工学会大会にて、農学研究科博士課程2年生の森さんが「学生優秀発表賞」を受賞しました。 近年、化石資源に代わる再生可能な資源として木質バイオマスが注目されていますが、木質バイオマスには「リグニン」と呼ばれる難分解性の高分子ポリマーが含まれています。森さんは、リグニンを完全に分解できる「白色腐朽担子菌」に着目し、そのリグニン分解メカニズムの一端を解明しました。 白色腐朽担子菌は菌体外に分泌する酵素によって高分子のリグニンを低分子化した後、リグニンの断片を菌体内に取り込み分解すると考えられています。しかしながら、リグニンの断片がどのように分解されるのかは、明らかになっていません。森さんは、白色腐朽担子菌から、数種類のリグニンの断片をハイドロキノンという化合物へと変換する新規の酵素を発見しました。この発見により、リグニンの断片はハイドロキノンを経由して代謝経路に取り込まれることを明らかにしました。 ハイドロキノンは医薬?化粧品原料や抗酸化剤として利用されている化合物です。現在、これらは化石資源を原料として生産されています。今回の研究成果を応用することで、リグニンを原料としてハイドロキノンの生産が可能になり、脱炭素社会の実現に大きく貢献することが期待されます。 |
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