大学概要【2020年度実施分】地域と協同し課題の発見?提案?解決を実践的に学ぶ学生主体の教育プログラム CBML"Community Based Machizukuri Learning"

都市情報学部

地域と協同し課題の発見?提案?解決を実践的に学ぶ学生主体の教育プログラム CBML“Community Based Machizukuri Learning”
実施責任者:鎌田 繁則

実際の“まち”と連携し、フィールドワークや地域での活動を通して、その“まち”の課題を発見?検証し、解決に向けて取り組む、学生主体の実践型教育プログラム。
 対象は都市情報学部1?2年次生で、インプットやグループワーク、プレゼン発表を通して、日々の修学意欲向上と学部での学びが主体的に考えられ、早期に“学部での学び”を実践的に体現でき、学部でのこれからの学びのイメージと社会の“リアル”を知ることができます。
 昨年度に引き続き、今年度も『岐阜県美濃加茂市』をフィールドに、市からのテーマについて、課題の本質を掴み、解決策を見出していきます。

ACTIVITY

CBML 2019 in 美濃加茂

2020/07/22

 2019年11月14日に美濃加茂市で行ったCBML報告会のショートムービーを作成いたしました。プロジェクトに参加した学生の皆さん、この経験を次の学びに活かしてください。
 そしてご協力いただきました美濃加茂市の市役所職員、住民、関係者の皆様、ありがとうございました。2020年も美濃加茂市をフィールドに勉強させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

活動報告(1) CBMLキックオフ 説明会

2020/10/19

10月15日、CBMLの2年目がいよいよスタートしました。今年も岐阜県美濃加茂市の全面協力のもと、市が抱える課題について市職員、学部教員と共に考え、学部での学びを深めていきます。フィールドワークはもうしばらくお預けですが、グループワークを通して主体性と協調性を磨いていきます。まずははじめの一歩を踏み出した学生の皆さん、まちづくりを楽しみましょう。

鎌田学部長挨拶。

美濃加茂市役所職員河内さんから市の紹介を受けました。

CBMLの先輩達も説明会に参加してくれました。

意見交換をする学生達。

活動報告(2) CBML第1回 10月22日 美濃加茂市の魅力とまちづくりの今を体感する

2020/10/27

先週の「キックオフ説明会」を受けて28人の学生の参加申し込みがありました!
今年のCBMLは、美濃加茂市から「学生に考えてほしい課題」を5つの課から出していただき、それを各回のテーマとして取り組んでいきます!

<5つのテーマ>

担当課 課題?テーマ 実施日
環境課 食品ロス削減に向けて 11/5
健康課 若者の歯科意識と歯科保健の意識向上 11/12
産業振興課 ふるさと納税 11/19
都市整備課 健康なまちづくり 11/26
まちづくり課 まちづくりのSNS活用 12/3

10月22日の今回は、すべてのテーマ担当の職員の方に来ていただき、学生と交流をしました。冒頭のアイスブレイクでは、市職員の方にも学生のグループに入っていただき自己紹介?他己紹介を行いました。次に、企画課の斎木課長から刷新された美濃加茂市第6次総合計画の概要説明を、各テーマの担当の方からは次回以降にみんなで考えるテーマの説明をしていただきました。最後にグループ単位で、テーマの職員を囲み、より詳細な話を聞き、意見交換を行いました。次回の開催は、11月5日。いよいよ、テーマについて考え、解決のアイデアを出していきます!

美濃加茂市より9名の市職員の方が来てくださいました

アイスブレイク。ペアになってインタビューし、パートナーをグループ全員に紹介しました

5つのテーマのなかから食品ロスの課題について説明する環境課の酒向さん

市職員の方もグループに入っていただきディスカッション。学生にとってSNSはお手の物?

活動報告(3) CBML第2回 11月5日 美濃加茂市のリアルな社会課題の解決にチャレンジ ~美濃加茂市における食品ロス削減@環境課~

2020/11/13

いよいよ実践的なプログラムの始まりです。今回は、本来食べられるものにかかわらず廃棄されてしまう食品ロスについて考えていきます。
まずは環境経済分析が専門の都市情報学部の森杉雅史教授より、農林水産省が進める食品リサイクル法の現状、ポリ乳酸化などの先行研究の実践例などの紹介。食品廃棄物等発生抑制には事業側と家庭側の取り組みがあり、市政は家庭側の問題解決が重要であり既存の活動の改革と発展の必要性を提言されました。森杉先生の話を受け、美濃加茂市環境課の酒向さんより、食品ロスは資源のムダ?経済的損失?環境負荷を引き起こす要因であり、削減に取り組まなければならない問題であることを解説していただきました。「おいしい食べきり」キャンペーン、3010運動の積極的な啓発活動、ドギーバックの試験的作成、食材持ち寄り、食べきり料理教室、家庭で不要になった食品の回収?配布等、美濃加茂市での取り組みを紹介していただきました。そして「学生視点の効果的な取組、運動、啓発方法」を考えて欲しい、との課題をいただきました。
その課題に対して、学生は5グループに分かれポストイットを使ったKJ法で課題に挑みました。各自で思い浮かんだアイデアをどんどん出した後、グループでアイデアのグルーピングや仕分けを行いました。最終的に面白そうなアイデアにはプロジェクト名を付け発表を行いました。不要食品による大食い大会、カレーか炒飯(?)等ユニークなプロジェクト、期限切れ食品スーパーなどの提案があり、市職員からは「学生らしい面白いプロジェクトや思いつかない提案があった」と好評をいただきました。次回は健康課から「若者の歯科意識の定着及び歯科検診を増やす為には」のテーマに臨みます。

森杉先生は美濃加茂市環境審議委員会にも参加されています。

美濃加茂市環境課酒向さんより美濃加茂市での取り組みが紹介されました。

思い浮かんだアイデアに、これはいい!のシールを貼っていきます。

短い時間で色々なプロジェクトの提案がありました。

活動報告(4) CBML第3回 11月12日 美濃加茂市のリアルな社会課題の解決にチャレンジ ~大学生の歯科意識調査及び歯科保健の意識向上と歯科定期健診の定着@健康課~

2020/11/20

実践的プログラム2回目は大学生の歯科意識向上と健診の定着がテーマです。学生のキャンパス入構が禁止されているなか、ZOOMでのオンライン実施となりました。
まずは社会保障論が専門の都市情報学部鎌田繁則教授より、地域包括ケアを例に問題解決へのアプローチについてミニ講義が行われました。①根拠となる法律や制度を調べる、②問題を見極め仮説の立証、③現場検証、データ分析をして仮説の検証、④上手く検証できなければ②に戻るといった本質的な研究の進め方をレクチャーしていただきました。今回のテーマでは、『歯科口腔保健の推進に関する法律』などが根拠となる法律で、なぜ市町村が若年層(=大学生)の歯科意識の向上と定着を問題としているのか、がヒントになると示されました。続いて、美濃加茂市健康課の斎藤さん、大矢さんから予防歯科として歯科検診を受けるメリット、美濃加茂市での取り組み、受診率のデータなどが示されました。学生には事前に意識調査アンケートが実施されており、「定期的に歯医者に行っている学生は少ない」という結果もありました。次に3つのブレークアウトルームでグループディスカッションを行い、受診しない理由と問題解決アイデアを出し合いました。学生にとって予防検診は、面倒、高い、時間を割いてまで行くことがない、といった意識の低さが原因との意見が出されました。解決アイデアでは、無料化だけでなくプラスアルファのお楽しみ、オンライン診療、見えないおしゃれとして歯科検診を定着させよう、などといった提案が出ました。さて、次回はふるさと納税がテーマです。

急遽、オンラインでの実施となりました。

鎌田先生のレクチャーにあったアプローチ法はどの分野にも活かせます。

お揃いのピンクエプロンの斎藤さん、大矢さん。ありがとうございました。

事前学習の成果で短い時間で多くのアイデアを出すことができました。

活動報告(5) CBML第4回 11月19日 美濃加茂市のリアルな社会課題の解決にチャレンジ ~より多くの寄附を集めるためにできること@産業振興課~

2020/11/24

最近、メディアでよく耳にする『ふるさと納税』ですが、学生にとっては近くて遠いテーマかもしれません。このようなテーマをレクチャーしてくださったのは、財政学?公共経済学が専門の赤木博文先生です。2008年に始まったふるさと納税は、ふるさとや応援したい自治体など自分の意思で納税先を決めることができる寄附制度で、納付者にとっては節税対策、お礼の品(返礼品)がもらえます。自治体にとっては活性化や復興支援の足掛かりになり、特産品や観光PRにもなる、などメリットが説明されました。反面、節税効果は高額納税者に偏ったもので、自治体間の寄附金格差、居住自治体への税収減少、地場産品でない返礼品などのデメリットにも注視する必要を説かれました。続いて、美濃加茂市産業振興課の田中さんより、現場職員ならではの説明?報告をしていただきました。クラウドファンディングと結び付けて財源を確保し、行政として事業化を進めることができた事例などが紹介されました。また、事業者側にしてみると、市が商品のクォリティーを担保し、受注や発送も市が中心で行ってくれる、など商品を返礼品にするメリットを説明していただきました。そして、学生へ「寄附金目標金額10億円を集めるために、お礼の品の充実、アクセス数の向上、リピーターの獲得、様々なニーズへの対応、といった側面から考えてください。」との課題をいだきました。まずは、問題点の深掘りを行うために2グル-プに分かれて質疑応答を行い、その後は、5つのグループで課題解決に臨みました。モノよりコトの返礼品、青空をバックにした商品紹介、なんと、山を返礼品にしては、といったアイデアが出されました。

さて、次回は美濃太田駅南地区の健康でウォーカブルなまちづくりがテーマです。

公平な学者の立場からふるさと納税を利用していない、との赤木先生。

美濃加茂市産業振興課の田中さん。なぜ産業振興課がふるさと納税を担当しているか理解できました。

多くの学生にとって納税はもう少し先の話しですが、将来、切っても切れない税金です。しっかり勉強してください。

難しい課題で悪戦苦闘しました。

活動報告(6) CBML第5回 11月26日 美濃加茂市のリアルな社会課題の解決にチャレンジ ~美濃太田駅南地区の健康でウォーカブルなまちづくり@都市整備課~

2020/12/03

美濃加茂市は「歩き続けること」を第6次総合計画の共通目標とし、『Walkable City Minokamo』をテーマに掲げています。第5回目のCBMLはウォーカブルなまちづくりがテーマです。まずは都市計画?地域計画?住宅政策が専門の福島茂先生からミニレクチャーを受けました。ストリート(道)に着目し、人を中心とした空間配分やデザインの考え方、ストリートでのアクティビティの優位性などを多くの事例と共に説明していただきました。
続いて美濃加茂市役所都市整備課の大梅(おおばい)さんから、市の約4年毎の経年変化が分かる航空写真や俯瞰地図を用いて、現在美濃加茂市がどのような立地状況になっているかを分かりやすく説明していただきました。そして今回の課題である『美濃太田駅南地区』を自作のストリートビュー動画で紹介していただき、この地区での賑わいづくりのアイデアを創造してください、との課題をいただきました。学生は4つのグループに分かれて、ソフト面、ハード面、ターゲットなどの視点から『まちづくりのキーワード』をアイデアカードに書き出し、グルーピングをして、イメージ写真と共に白地図に貼り付けていくデザインゲームを行いました。具体化?視覚化された白地図をもとに、ストリート(道)での餅まきやフリマ、ライブの開催、常設のパブリックビューイングの設置などが発表されました。芝生広場などの緑化はどのグループからも提案があり、居心地の良い公共空間に緑は必須だと共有しました。次は実践課題の最終テーマ「まちづくりのSNS活用」@まちづくり課です。

福島先生からは各地の魅力的な取り組み事例を紹介していただきました。

美濃加茂市役所理系代表の大梅さん。シニカルな佇まいや口調は癖になります。

今回のデザインゲームは利権も財政も無視。

将来、美濃加茂市の都市整備事業に携わる人がいるといいですね。

活動報告(7) CBML第6回 12月3日 美濃加茂市のリアルな社会課題の解決にチャレンジ ~移住?定住プロモーション@まちづくり課~

2020/12/08

美濃加茂市は過疎地域ではなく、人口はむしろ緩やかではありますが増加しています。しかし高齢化は避けられない問題です。実践的プログラム最終の5回目は、未来の担い手と現役世代、美濃加茂市に関心がある人が、移住?定住に関心を持ってくれるプロモーション提案が課題です。まずは、都市情報学部の田口純子先生よりミニレクチャーがありました。先生の専門は建築?都市環境教育ですが、ワークショップを開催する機会が多く情報発信をする側でもあります。情報の集め方?まとめ方?見せ方?交わり方、+“ゆるさ”の必要性を説かれました。なかでも『公定する』といった概念は興味深いものでした。次に美濃加茂市まちづくり課の髙木さんから、移住?定住の過程は、関心→愛着→通う→交流→拠点=移住?定住のステップがあり、第1段階の関心を持ってもらうことが大事で、そのコンテンツとしての移住?定住情報サイト『みのかも時間』の紹介がありました。この、『みのかも時間』の Instagramについての改善案と新規投稿案の検討という2点の課題をいただきました。学生は(おそらくは)初めて見る『みのかも時間』について文面、写真、タグ付け、ハッシュタグなど感じたことを各自でポストイットに書きだし、グルーピングしていきました。いいな、よくないな、と感じたことを踏まえ、実際にこれから行われる?旧櫻井邸の改修ワークショップ?について仮想インスタを紙に挙げていきました。ストーリー性を持たせること、完成予想図を盛り込むことなど、学生の感性溢れるアイデアが出され、このアイデアは美濃加茂市に持ち帰っていただきました。5回に渡った実践課題は今回で終了です。次回はプログラムの振り返りを行います。

今年度から都市情報学部に赴任された田口先生。これからもよろしくお願いします。

昨年に引き続きCBMLプログラムに協力いただいた髙木さん。楽しんでお仕事されている様子が素敵です。

ジェネレーションZと言われる世代ですが、真剣です。

与えられた課題をどう見せるか、なかなか難しいですね。

活動報告(8) CBML第7回 12月10日 美濃加茂市のリアルな社会課題の解決にチャレンジ ~ふりかえり~

2020/12/18

キックオフから始まり、美濃加茂市からいただいた5つの課題を考えてきた今年度のCBMLでしたが、少しでも主体的に考える力はつきましたか?今回はふりかえりです。まずは各自で、全体を通した感想、関心のあったテーマ、CBMLを通じて感じた自分の強みや弱み、受講後の変化をワークシートに記入していきました。そして、2人一組になってお互いに発表、質問をしあいました。アイデアを出す事は得意だが、時間内にうまく整理できない、意見を話し合う事は好きだが、発表が苦手など、自分の強みと弱みを考え、自分の言葉で説明することでまた違った気付きが出てきました。更に、今後学部で詳しく学びたいこと、市職員へのメッセージを書き加え、先ほどと違うペアで意見交換を行いました。更にワークシートの裏面に「新たな一歩宣言」を書き加えました。入学して8カ月、その半分以上が遠隔講義となった1年生ですが、今の自分の一歩をみんなの前で宣言することができました。学部から鈴木淳生先生、福島茂先生から、ふりかえりのご意見をいただき、最後に美濃加茂市の河地さん、井戸さんから暖かい激励のお言葉をいただきました。今年度のCBMLは終了ですが、学部、大学での学びはこれからです。学ぶ楽しみを見つけて行きましょう。

まずは自己のふりかえりです。

ペアになって発表、質問をする事で自分の言葉になります。

新たな一歩宣言を書き出してみますが、少し照れますね。

まずは、声に出してみる。 そして、実行あるのみです。

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