大学概要【2022年度実施分】新入生の能動的学習態度の形成とコミュニケーション力の向上を目指した導入教育の充実

薬学部

新入生の能動的学習態度の形成とコミュニケーション力の向上を目指した導入教育の充実
実施責任者:小森 由美子

本取り組みは、新入生に対して「大学での学修に必要な問題発見?解決力、および情報リテラシー」や、「科学的な観点から様々な事象を考える上で必要な思考方法」を身につけることを目的に実施する。
またグループワークを通じてコミュニケーション能力を向上させるとともに、多様な考え方があることを学ぶ。さらに自分が「何を知らないか」に気付くことで、今後、大学で学ぶべきことを考えさせる。

ACTIVITY

取り組みの進め方

2022/07/12

課題に対するグループワークの成果を発表している様子

 医療従事者に求められるコミュニケーション能力、チームでの協同作業に積極的に参加する態度、自ら課題を発見して学ぶ能力を早期に身につけさせることを目的とし、新入生2クラスの学生を8~9名ずつ16グループに分けてグループワークを開始した(4クラスで32グループ)。2021年度の実施結果から、半数近い新入生が新たに購入したPCやタブレットの設定ができていないことが明らかであったため、15回の講義時間の最初1~2時間は「大学のWi-Fi環境への接続設定、必要なソフトウエアのダウンロード、WebClassの使用練習」を行った。その後「環境問題」に関する課題文献を読んで、グループワークで「調査項目抽出、分担して調査、発表資料の作成」を行い、その成果を4グループごとに発表した。発表時には聴講する3グループは評価表を用いて相互評価を実施した。今年度は1課題につき3週(90分×3コマ)でワークを実施、4週目に発表というプログラムで、計3課題の実施を計画した。

取り組みの内容

2022/10/13

 今年度は①プラスチックとゴミ問題、②人獣共通感染症、③薬剤耐性菌、の3課題でグループワークを実施することとし、「第1週目で課題に関するディスカッション、学習?調査内容抽出と役割分担」、「第2~3週目で調査とまとめ、発表スライド作成」、「第4週目でグループごとに発表、相互評価」というスケジュールで進めた。またこれと並行して個人レポートの作成を行い、第4週目に回収した。個人レポートでは、個人で学習?調査を行ったものの、グループでのまとめの方向性には合致しなかった内容を評価した。
 テーマ①では、グループワークやPower Point 作成に不慣れな学生も多かったが、テーマ②、③と進めるに従い、発表資料の完成度が高くなり、発表時の話し方の工夫もみられるなど、相互評価の平均点が全体的に上昇した。相互に発表を聴くことで、他グループの良いところを取り入れることができた結果、プレゼンテーションや説明能力など、医療従事者に必須のスキルが全体的に底上げできたと考えられる。

「課題②人獣共通感染症」についての学習結果を発表している様子

「課題②人獣共通感染症」に関する「ワンヘルス」理念を発表したグループの例

今年度の取り組みの総括

2022/11/01

 3課題でのグループワークと発表を実施後、最終アンケートで「各課題の難易度」、「プレゼンテーションやレポートに関するスキルの上達」、「グループワークでの役割分担」、「プレゼンテーションに対する準備状況」、「質疑応答に関する積極性」と、「相互評価を行うことに関する意見(自由記述)」を調査した。
 課題1→2→3と進めるに従い、身近な話題からやや専門的な話題へと難易度をあげたため、学生の自己評価でも次第に「取り組みが難しかった」と回答する学生が増えた。しかし、Power Point等の作成スキルやグループワークでの役割分担については約9割が「上達した」「役割を果たせた」と回答し、取り組みの成果が見られた。また自由記述でも、他のグループの発表を聴いて相互評価することで、「自分とは違う様々な考え方や視点があることへの気付き」、「他のプレゼンテーションの長所や短所を知ることで、自分たちのスキルアップに繋がる」など前向きな意見が多く見られた。
 プレゼンテーション後の質疑応答に関して、2021年度と2022年度の学生を比較すると、2022年の方が「最低1回は質問した」学生が倍増し、「質問を思いつかなかった」学生数は半減したことから(図参照)、積極的に取り組みに参加する傾向が顕著であったが、「質問する勇気がなかった」と回答する学生数に大きな変化はなく、今後学生の積極性を如何に引き出すかが課題であると考えられた。

プレゼンテーションでの質疑応答に関する学生の積極性(2021年度と2022年度の比較)

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