大学概要【2022年度実施分】次世代リーダーの育成及び協働的学びのコミュニティの創出

附属高等学校

次世代リーダーの育成及び協働的学びのコミュニティの創出
実施責任者:伊藤 憲人

「次世代リーダー講座」を全校生徒対象に実施し、グローカルに活躍するリーダーを招聘もしくは訪問して、話を聞くとともに、地域の社会課題を「自分ごと」として捉え、学年、科、コースの枠を超え協働して考え行動していくことを目指す。また、AL型授業、協働的学習を円滑に実施するために必要となる機器備品を整え、生徒同士が、能動的かつ活発にコミュニケーションできるための環境整備を行う。

ACTIVITY

グローバルサロン1

2022/11/04

 4月21日、第1回名城グローバルサロンが開かれました。この日のサロンは、題して「SDGsヤロウ!」。教育開発部長の羽石優子先生がファシリテーターとなり、60人の生徒たちが集まりました。「SDGs」という単語は、目にする機会も増えてきましたが、とてつもなく大変なことのように感じがちです。そういう時、人と話し合うことで、視野が開けることがあります。そんな機会になるように、羽石先生はカードゲームを取り入れました。示された問題について、配られたカードのアイテムを使って解決するストーリーを作り、どの解決策がより良いか、競い合うゲームです。ペアになって話し合うことで、重い課題も前向きに考えることができました。グローバルサロンの醍醐味は、科学年や性別を越えて、考えを共有したり、活動したりできることです。また次回も知的好奇心が強い生徒たちが集まる場になりそうです。

講座の様子1

講座の様子2

グローバルサロン2

2022/11/04

 5月19日、図書館にてGサロンが開催されました。今回のサロンのテーマは羽石先生による、「学校周り、何語の表記がある?~多言語表記から見る多文化共生~」でした。
 駅やお店で様々な多言語の看板等を見かけることが多くなってきましたが、私たち、名城高校の周りはどうなっているのか。当日は、グループごとにタブレットを持って散策し、多言語表記看板と思うものを撮影して討議しました。
 初めに観光庁が平成26年に策定した、多言語対応の改善?強化のためのガイドラインをもとに、多言語対応の対象となる情報を分類し、学校周りの多言語表記看板は何についての情報で対象者は誰を想定したものなのかを考えました。次に愛知県への外国人旅行者と愛知県や学校所在地周辺の在留外国人の構成のデータ、在留外国人の国籍別入国時期から、学校周辺の外国人(外国にルーツを持つ人)の状況を考えるとともに、災害避難指示看板を読み解きました。そこから見えてきたことは「やさしい日本語」の活用です。
 参加生徒たちは、様々な言葉や文を「やさしい日本語」に変換してみることを通して、「多文化共生」とは「当たり前が違う人が一緒に生きる」ことであり、そのためにわかりやすく伝える配慮が必要だということを改めて考えました。

学校周りにある多言語表記看板1

学校周りにある多言語表記看板2

グローバルサロン3

2022/11/04

 6月16日(木)、令和4年度第3回グローバルサロンが8階大会議室で開かれました。文部科学省「トビタテ留学JAPAN」事務局にお勤めの稲垣享一郎氏をお招きして、「面白い生き方と愛されるプロジェクト」のテーマの下、稲垣氏の半生を拝聴し、「愛されるプロジェクト」を作るためにはどうしたら良いか、カードゲームを通じて考える時間になりました。
 稲垣氏は、高校卒業後に大工になり、紆余曲折を経て英語教員になり、現在は文科省に身を置く…という異色の経歴の持ち主です。「チャーリーと呼んでほしい」という一言目から、大会議室に集まった50名の生徒はあっという間にチャーリーワールドに吸い込まれてしまいました。
 カードゲームを用いたワークショップは、稲垣氏の教員時代からの十八番です。今回は「その地域の課題を解決する」ことを目的に、カードに提示された項目を満たした、オリジナルプロジェクトを作るゲームでした。短い時間の中で生徒たちは熱狂し、大いに盛り上がりました。稲垣氏の「社会性ばかり考えていると面白いプロジェクトはできない」、「課題を解決すること自分のやりたいことと、社会の課題をバランスよく組み合わせることが大切だ」という言葉に励まされたのだと思います。なぜなら、講演後に寄せられた多くの感想には、「自分のやりたいことも大切にしても良いんだ」という、驚きとともに喜びの気持ちが込められていたからです。社会の課題を解決するには、何かを我慢しなければいけない、と思い込んでいる生徒たちも少なからずいたようです。自分の気持ちに耳を傾けることで、より良い解決策が生まれるかもしれない、という新たな気づきを得られました。

講座の様子

次世代リーダー講座1

2022/12/06

 7月21日(木)の次世代リーダー講座は、美ら海沖縄大使も務めていらっしゃる、名古屋市立大学大学院人間文化研究科の阪井芳貴先生をお招きしました。2022年はアメリカから施政権が返還されて50年にあたる節目にあたります。先生には、「沖縄を知ろう」と題してお話していただきました。
 沖縄の話をするときに避けては通れないのが、理不尽な歴史です。薩摩の琉球侵攻に始まり、沖縄戦、基地問題。修学旅行で 沖縄に行くとなると、必ず事前学習で触れることになります。名城高校も、かつて修学旅行先が沖縄だった時期があり、阪井先生に来ていただいたこともあります。その時も沖縄の歴史や戦争、基地などの話もしていただきました。それとともに、沖縄の美しい環境や、豊かな文化や言葉についても目を向けてほしいと仰っていました。
 今回の講演も、多くのキーワードを交えてお話していただきました。沖縄の歴史や現状を知れば知るほど、「万国津梁」(世界の架け橋)と「命どぅ宝」(命こそ宝)は、まさしく沖縄を象徴する言葉であることが生徒たちも理解できたようです。

講座の様子1

講座の様子2

グローバルサロン4

2022/12/06

 9月22日(木)、令和4年度第4回グローバルサロンが8階大会議室で開かれました。前半は名城高校の国際クラスで英語の授業を担当しているJeffery Fritch先生による「ステレオタイプ(固定観念)」についてのお話とディスカッション、後半はホームステイを経験した生徒によるプレゼンテーションという2部構成でした。
 Jeff先生は、情報によって相手の印象が左右されるワークを2つ用意していました。1つは、スライドに映された色々な格好をした何十人もの人物を見て、相手にどのような印象を持つか考える、というものです。もう1つは、短い英文に書かれた表現から、どのような固定観念が隠されているか考え、ディスカッションする、というワークでした。これらを通じて、私たちは持っている情報によって相手を「分類」していることを実感できました。それは時に「偏見」につながる恐れもあるものでした。
 しかし、その一方で、「ステレオタイプ」は、実はポジティブな面もあるというのです。例えば、初めて海外に行ったり、ホームステイをする際、下調べによってある程度イメージを持つことで、安心感を持つことができるということでした。実際、ホームステイを体験した2人の生徒の話でも、「オーストラリアの人は〇〇だということを聞いていて…」という話題があり、多少驚きながらも、余裕を持って受け止めた様子がうかがえました。
 固定観念にプラスの面があることは、参加者にとってとても新鮮に映ったようです。これも私たちが「固定観念」に「固定観念」を持っていたからかもしれません。面白い気づきを得られました。

講座の様子1

講座の様子2

グローバルサロン5

2022/12/06

 12月1日(木)、令和4年度第5回グローバルサロンが8階大会議室で開かれました。この日は国際クラスの卒業生で、現在革職人として活躍なさっている高桑宏介氏をお招きしました。
 前半は、当時の担任である羽石優子先生との対談形式で、3つのターニングポイントについてお話していただきました。高校時代、テレビで取材された学校近くの革職人に弟子入りをして腕を磨いた話、国際クラスならではの課題に追われながらもニュージーランドのホームステイを大いに楽しんだ話、大学時代に何もコネクションがない状態でイタリアに渡って、遠回りしながらも希望通り革の工房につながりを持つことができた話…淡々とお話しされていましたが、一つ一つに大きなドラマを感じるものでした。講演では仕事で扱う革のワークショップも開かれ、普段見たことがない革に、生徒たちは大いに盛り上がりました。
 後半では、「会いたい人に会う為に必要な資質」と題して、人とのつながりの大切さをお話しされました。高桑氏は、少年時代から憧れていた所ジョージさんから直接仕事を依頼されるという、普通では考えられないことがありました。しかしそれは偶然ではなく、高桑氏の「ちゃんとした形で会いたい、ファンとしてではなく、自分の強みを生かして会いたい」という気持ちを持ち続け、「応援される人柄と、平均値を外れた特徴を持つ」ことで、憧れの人と関わることができたのです。「これは関係ない、と決断してしまうと、そのレベルで止まってしまう」「どんなに気が合わない人であっても、相手に対して愛を持って接するということが大切だ」高桑氏の経験から出る言葉は、高校生の心に響くものでした。

講座の様子1

講座の様子2

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ