大学概要【2023年度実施分】ソーセージの学び舎 ~つくる責任?捨てる責任を考える~

農学部

ソーセージの学び舎 ~つくる責任?捨てる責任を考える~
実施責任者:林 利哉

事業系の可食性資源の有効活用は、昨今のSDGsの観点やフードロス問題を考える上でも極めて重要な要因の一つである。食肉を主原料としつつも、多様な副素材を練り合わせてつくる複合型食品であるソーセージ類は、その未利用資源のスカベンジャーとして有用である。本取組では、食品残渣の有効利用を念頭に、まずは研究室という小規模な研究活動で生まれる可食性資源を活用したソーセージを考案?試作することを通して、食品ロスに対する問題意識を喚起し、ひいては志望業界としての“食品離れ”の緩和にも寄与したいと考える。

ACTIVITY

実験?実習残渣を用いた加工品の試作①

2023/12/23

当学科の加工実習ならびに食品関連の実験により派生した食品残渣や残肉等を活用して、手詰めボロニアソーセージを試作した。主原料は軟脂やスジが多い端肉ではあったが、代替肉の原料としても注目されている大豆タンパク質を添加することで結着力、保水力ともに通常製品に匹敵する品質の製品を試作することができた。

レシピの検討

手詰めボロニアソーセージ

実験?実習残渣を用いた加工品の試作②

2023/11/23

加工実習にて使用した鶏卵の未利用分を用いて燻製卵を試作した。一旦90℃以上の熱湯で数分ボイルした鶏卵の殻をむき、ステンレスの網籠にのせて70℃前後の煙温度で2時間程燻煙を行った結果、きれいなスモークカラーで覆われた“くん玉”を作製することができた。しかしながら、乾燥が進み過ぎたためか、卵白部分の食感が硬い傾向にあり、燻煙の温度や時間を工夫する等、まだまだ物性改善に向けた検討の余地が残されている。

燻煙前の半熟ゆで卵

“くん玉”の試作品

実験?実習残渣を用いた加工品の試作③

2023/12/23

加工実習時の残渣である生姜や玉ねぎ等の調味材を利用して乾塩ベーコンを試作した。比較的安価な輸入凍結豚ばら肉に、所定濃度の塩漬剤をすり込むと同時に、香辛料や実習にて派生した生姜と玉ねぎ残渣をばら肉表面にまぶした。低温室で数日間静置した後、乾燥?燻煙を施した。外観的には着色、発色は申し分なく、食感をはじめとした美味しさも市販のベーコンのそれと同等かそれ以上の品質の製品をつくることができた。本試作品は食品業界にて活躍する卒業生からも高い評価を得ている。

燻煙後の簡易ベーコン(程よい着色)

簡易ベーコンの断面(程よい色調と肉の質感)

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