大学概要【2023年度実施分】行動変容を促すための学外活動を活用した学修プログラム

薬学部

行動変容を促すための学外活動を活用した学修プログラム
実施責任者:原 脩

薬学分野を選択してきた学生にとって、医薬品の研究というワードは、学生誰しもが憧れを持つ言葉ではないか。しかし、大学生活を過ごす中、次第に自分には無関係で、ただの憧れに感じてしまう。この感情を払拭するためには、自分に自信を持ち、積極的に行動すれば、現実をかえることが出来ることを実感する必要がある。創薬人育成スクールや学会発表などの経験を通して、自らの可能性を信じ、挑戦する気持ちを養ってもらいたい。

ACTIVITY

行動変容セミナー:海外の一流研究者に向けた英語での研究紹介

2023/06/05

 名古屋で開催された学会の招待講演者として来日したSunkyu Han先生(KAIST, 韓国)に来学して頂き、学生の意識変化を促すために英語でのセミナーを開催しました。Han先生は、有機化学、特に全合成研究のライジングスターであり、著名な有機化学研究者です。今回、天然物合成を行っている薬学部分子設計化学研究室から2名の学生が、自分たちが行っている全合成研究について、Han先生の前で英語の研究報告セミナーを行いました。セミナーはHan先生の人柄もあり、和やかななかにも、緊張感のあるものでした。発表者も発表練習の成果もあり、自身の研究内容を賢明に伝えようとしていました。質疑応答では、うまく内容がつかめずに、返答に詰まる場面も見受けられましたが、これも良い経験であり、発表者の今後の研究活動や他の学生にも大変良い刺激となり、行動変容に向けた糧となったと考えています。

英語での研究紹介とディスカッション風景

Han先生との記念写真

行動変容を促すための創薬人育成スクール
 「メディシナルケミストリー視点での創薬研究の流れ」

2023/07/03

 新年度が始まり、新しく4年生が研究室に配属され、各研究室で卒業研究を取り組みはじめる時期となり、今後の研究生活を有意義に過ごし、また、卒業研究を進めてきた5,6年生を含め、企業での研究現場での様子に触れることは、自身の将来設計を考える上で貴重な機会といえる。今回、ファイザー製薬からベンチャー企業として立ち上げ、現在、ラクオリア創薬(株)で、研究開発に従事している研究者を招き、実際の創薬研究現場で従事する研究者から、直接、医薬品を開発していく過程の話を聞くことが出来た。今回の講演者野口先生の所属会社が、ベンチャー系ということで、他の製薬企業とは異なった戦略で医薬品開発が進められていることは大変興味深く、新鮮な情報であった。そのせいか、出席した学生10名ほどから質問が相次ぎ、20分以上にわたり、質疑の時間が続いた。時間の限りもあり、講演について学生からアンケートを集めると、参加者の6割以上の学生がアンケートを記入し、いろいろなコメントを残してくれた。このアンケートは講演者に、フィードバックさせてもらう予定である。
 また、講演終了後には先生に時間の余裕があったことから、企業研究に興味のある学生数名が、講演者の野口先生と懇談する時間を持つことが出来た。

講演者 野口先生

質問風景

講演直前風景

研究発表の準備の大切さを実感したシンポジウムへの参加

2023/12/01

岐阜駅前で開催されたシンポジウム参加者

薬学系の学会としては、1演題に対する発表時間(質疑の時間)が長く設定されている「反応と合成の進歩シンポジウム」が、11月6日、7日の両日、岐阜にて開催された。折角の機会ということで、5年次での卒業研究期間を利用して、5年生学部生4名が参加した。学部生4年、5年生の多くは、医療実習や講義期間と重なり、残念ながら、一部の学生のみの限定的な参加となった。参加した学生は、質疑時間の長い口頭発表を間近に見ることで、発表者の報告内容の濃さだけでなく、多くの質問に対して、用意周到に準備し的確に回答している発表者の様子に興味津々であった。彼らがこれまで経験している学会が、発表時間も短めで、定期的に開催される学会への参加しか経験がなかったことから、これからの研究室内での理解度を確認するためのセミナーや卒業研究発表会においても、ディスカッションに耐えうる準備の必要性を強く感じ取っていた。

実用性の高い研究を目指して:「水酸基識別型分子変換法の開発」

2023/12/01

2023年11月17日(金)に国立研究開発法人産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センターヘテロ原子化学チーム主任研究員?上田善弘先生を招いて、「水酸基識別型分子変換法の開発」の演題で特別講演会を開催しました。薬学部の創薬化学系の研究室の4年?5年生が約50名、教員7名が参加しました。上田先生からは、糖類等に含まれる性質が類似している複数の水酸基を識別し、特定の水酸基のみを選択的に変換する最新の研究成果について学生諸君にわかりやすくご講演いただきました。講演後の30分間の質疑応答時間では、学生や教員から多くの質問が寄せられ、これは産業技術総合研究所が、実用性を踏まえた研究開発を求められることから、大学とは異なった視点での取り組みや考え方が紹介されたことから、学生に取って新鮮に写ったかと思われます。このように異なる立場からの視点?考え方を知ることで、これからの研究活動に大変参考になったこと思います。

上田先生のご講演の様子

上田先生の講演に聞き入る学生諸君

質問する5年生 1

質問する5年生 2

不活性アルケンの効率的化学修飾を実現した「金属ヒドリド水素原子移動を用いた分子変換」

2024/03/05

2024年2月16日(金)に武蔵野大学薬学部講師 重久浩樹先生を招いて、第5回特別講演会を開催しました。参加者は、学部生が4年生と5年生あわせて約40名、教員6名、名誉教授1名で、大変盛況の中、行われました。重久先生から提供された話題は、Co-H結合の反応性を巧みに利用し、不活性な二重結合を位置選択的で効率的に化学修飾する独創性の高い最新の研究内容でした。今回の反応の鍵となるCo-H結合は、学生達にとってはなじみのないものでしたが、先生からは、学生諸君にわかりやすくご講演いただきました。講演後約30分間にわたる質疑応答では、学生や教員から多くの質問が寄せられました。特に今回は、同じ私立大学6年制薬学部の教員であり、私立薬科大学という環境下での優れた研究成果ということで、我々教員にとっても、研究成果だけでなく取り組む姿勢などに刺激?感銘を受けるものでした。

講師の紹介風景

講演されている重久先生

一生懸命メモを取る参加者

質問風景

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ