大学概要【2021年度実施分】経営学部?経済学部の連携?協業とアクティブラーニングによる新たな地域コミュニティモデルの創出事業

学部共同

【経営?経済学部】経営学部?経済学部の連携?協業とアクティブラーニングによる新たな地域コミュニティモデルの創出事業
実施責任者:田中 武憲

本プログラムは、岩手県岩泉町?岩手町等をフィールドとして、経営学部?経済学部の両学生が連携?協力しつつ、それぞれが普段の講義やゼミで学ぶ専門知識を活かして地域活性化に取り組むプログラムです。この取り組みを通じて、総合大学である本学の強みを活かした新たなアクティブラーニング手法の開発、地域経済?社会の活性化モデルの構築、および持続可能で活力ある地域コミュニティの実現を目指します。

ACTIVITY

自家用車を活用した観光客の足の確保について事例調査を行いました。

2021/11/18

 経済学部山本ゼミでは、岩手県岩泉町の観光振興施策を検討していますが、現状の大きな課題は、広い同町内に点在する観光資源を結ぶ公共交通がきわめて脆弱なことです。同町には全国的な観光地である「龍泉洞」(鍾乳洞)がありますが、ここを訪れた観光客が他の観光施設や中心市街地商店街に足の伸ばすことは難しく、観光客が回遊せず観光消費も望めません。
 このため、例えば、行政の助成により観光周遊バスを運行することが考えられますが、十分な頻度でこれを実施するには多額の財政負担が必要で、現実的ではありません。
 そのため、本ゼミでは、「交通空白地有償運送」の導入を検討しました。
 わが国では、道路運送法により、自家用車で人を輸送し対価を収受する行為(いわゆる白タク)は禁止されています。しかし、従来より、過疎地域等公共交通が乏しい地域では、「交通空白地有償運送」として、例外的にこれが認められていました。すなわち、自家用車を運転できる個人が、運転できない隣人を乗せてあげて、ガソリン代等実費と若干の謝礼(あわせて概ねタクシー運賃の半額程度)を受け取る仕組みです。ただし、本制度は、あくまでも地域の助け合いによる地域住民の足の確保という位置づけのため、観光客等来訪者の輸送は原則として禁止されていました。
 しかしながら、令和2年度改正道路運送法施行により、観光振興等を目的として、一定の条件の下で、観光客等来訪者の輸送が可能となりました。
 本研究では、この制度を岩泉町に導入することを目指します。そのため、既に「交通空白地有償運送」を導入している先行事例として、令和3年10月28日(木)に京都府京丹後市の「ささえ合い交通」、令和3年11月12日(金)に愛知県南知多町日間賀島の「ぐるりーバス」について、ヒアリング調査および現地視察を行いました。
 京丹後市では、「ささえ合い交通」の運行主体である「NPO法人気張る!ふるさと丹後町」専務理事の東様より、本事業は京都府のトップダウンで行われたため迅速に運行開始できたこと、予約?配車にUber社のシステムをそのまま利用しているため、予約?配車業務に人件費がかからず、この結果行政の補助なしに事業を継続していること等を、お教えいただきました。
 南知多町では、「ぐるり―バス」の運行主体である「(一社)日間賀島観光協会」事業運営部長宮地様より、従来は観光客送迎のために無償で自家用バスを運行していたのを有償運送に切り替えたことや、南知多町からの提案によりこれが実現したこと等を、お教えいただきました。
 以上の現地調査で得られた知見を活かし、岩泉町に適した「交通空白地有償運送」を提案する予定です。
 なお、上記調査出張については、所定の学内手続きを経て教員同行により3密回避等十分な注意の上実施しました。

京丹後市「NPO法人気張る!ふるさと丹後町」2021/10/28

南知多町「(一社)日間賀島観光協会」2021/11/12

地域振興支援のために学生が2年ぶりに岩手県を訪問

2021/11/26

経営学部?経済学部の共同事業として,2019年に「学びのコミュニティ創出支援事業」の指定を受けた事業活動の一環として,学生4名が岩手県岩手町と岩泉町を訪問しました。
この活動では,交通経済学を専門とする経済学部?山本雄吾教授の指導を受けて,IGRいわて銀河鉄道および旧?国鉄/JR岩泉線を活用した地域の活性化に取り組んでいます。
過去2年間,学生はリモート&オンライン中心で活動を行ってきましたが,今回は実際に現地を訪問したうえで,改めて地域の現状や課題を確認し,今後の具体策の検討の材料といたします。

戦前のタカラジェンヌ?園井恵子さんゆかりのIGRいわて銀河鉄道「岩手川口駅」(岩手町)を視察

「岩手川口駅(後方の建物)」に隣接して2020年に整備された「園井恵子 花のみち」

廃線となったJR岩泉線?旧「浅内駅」でSL時代の給水塔を活用した町おこし策を検討中

旧「岩泉駅」にてかつての岩泉線の様子を写真や資料で確認

岩手県岩泉町および岩手町の観光振興施策について、プレゼンテーション、意見交換、現地調査を行いました。

2021/12/21

岩手県岩泉町の観光振興施策の一つとして、廃線となったJR東日本岩泉線浅内駅の活用を検討しています。令和3年12月18日(土)、浅内駅にて、浅内地区自治会および岩泉町役場の皆さまにお集りいただき、浅内駅を鉄道公園として整備する提案について、学生からのプレゼンテーションの後、意見交換を行いました。これを踏まえて、年度末に最終報告書を作成予定です。
また、岩手県岩手町の観光振興施策の一つとして、同町所縁の戦前の宝塚女優「園井恵子」を核とした観光客誘致を検討しています。令和3年12月20日(月)、佐々木町長および「園井恵子を語り継ぐ会」柴田会長より同町の観光振興と園井恵子についてレクチャーを頂き、その後「岩手川口花のみち」や「園井恵子ブロンズ像」等を視察しました。これを踏まえて、年度末に最終報告書を作成予定です。
なお、上記出張については、所定の学内手続きを経て教員同行により3密回避等十分な注意の上実施しました。

岩泉町浅内地区自治会および岩泉町役場の皆さんと学生の記念撮影(令和3年12月18日,撮影時のみ対人距離を短縮しマスクを外しました)

「園井恵子を語り継ぐ会」柴田会長と学生の記念撮影(令和3年12月20日、撮影時のみ対人距離を短縮しマスクを外しました)

『令和3年度岩泉町観光振興調査報告書』が完成しました。

2022/03/20

経済学部山本ゼミでは、岩手県岩泉町の観光振興施策を検討してきましたが、本年度の成果が『令和3年度岩泉町観光振興調査報告書』として纏まり、岩泉町他関係各所に提出しました。
本年度調査では、(1)観光客を対象とした交通空白地有償運送の導入と、(2)浅内駅の鉄道公園としての整備の2件について検討しました。

(1)観光客を対象とした交通空白地有償運送の導入では、令和2年度の改正道路運送法施行により、公共交通の著しく不便な地域(交通空白地)で例外的に認められている自家用車による有償運送が、地域住民だけでなく観光客等来訪者も利用可能となったことを踏まえ、岩泉町大川地区で実施されている交通空白地有償運送を観光客にも利用し易くするための施策を提案しました。
(2)浅内駅の鉄道公園としての整備では、平成26年に廃線となったJR東日本岩泉線の浅内駅に現存する駅舎や旅客ホーム、給水塔を活用し、浅内駅を「鉄道公園」として整備して新たな観光資源とするための施策を提案しました。

『令和3年度岩泉町観光振興調査報告書』の表紙および目次を提示します。

『岩手町観光振興調査報告書~俳優?園井恵子に因む観光施策~』が完成しました。

2022/03/24

経済学部山本ゼミでは、岩手県岩手町の観光振興施策を検討してきましたが、本年度の成果が『岩手町観光振興調査報告書~俳優?園井恵子に因む観光施策~』として纏まり、岩手町他関係各所に配布しました。
岩手県岩手郡岩手町は、盛岡市の北隣に位置し、「北上川源泉の町」として、また「彫刻のある町」として知られていますが、近年、戦前の俳優「園井恵子」所縁の町とし注目されています。
園井恵子(本名:袴田トミ)は、幼少期を川口村(現岩手町)で過ごし、昭和 5 年から17 年まで宝塚歌劇団に在籍しました。歌劇団退団後は、「苦楽座移動演劇隊」(桜隊)に所属し、各地を慰問しましたが、西日本巡演中に広島で原子爆弾に遭遇し 33 歳で死去しました。
岩手町では、園井の生涯やその夢を奪った戦争の悲惨さを語り継ぐことを目的に、平成 6年「園井恵子を顕彰する会」(現:「園井恵子を語り継ぐ会」)が発足し、園井のブロンズ像建立や「園井恵子花のみち」整備等を行っています。
岩手町は、北上川源泉や石神の丘美術館などの観光資源を有しています。また、岩手町の中心駅であるいわて沼宮内は、東北新幹線も停車し、東京駅から2時間27分とアクセスも良好ですが、岩手町は観光スポットとしての全国的な知名度は高くありません。
本調査は、以上のような背景から、花のみち他の園井恵子に関係する諸施設の魅力をいっそう向上し、それを全国に PR する方策を検討しました。これにより、園井恵子を顕彰するとともに、先ずは宝塚歌劇に関心のある観光客を誘致し、観光振興による岩手町活性化を図ることを提案しました。

『岩手町観光振興調査報告書~俳優?園井恵子に因む観光施策~』の表紙および目次を提示します。

石神の丘観光パンフレット
ブロンズ像や花のみち等園井関連施設を訪れた観光客を、石神の丘(美術館および道の駅)に誘致するためのパンフレットを作成?配備しました。宝塚ファンの関心を引くようなデザイン?キャッチコピーを検討しました。

岩手川口駅道標
本報告書において提案した岩手川口駅道標設置が実現しました。本道標は、1世紀近く前に園井がここからはるばる宝塚に向けて旅立ったことを示すともに、鉄道の旅客に、岩手町が園井恵子所縁の地であることを知らしめる目的もあります。

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