大学概要【2023年度実施分】応化チャレンジプログラム

理工学部

応化チャレンジプログラム
実施責任者:丸山 隆浩

本プログラムでは、応用化学科カリキュラムで一定の就学基準を満たし、活動意欲のある学部3年生がいち早く研究室での研究活動にチャレンジする機会を提供します。卒業研究での研究室配属とは独立したものであるため、特定の研究分野を深く学ぶことも、多分野の研究を幅広く経験することもできます。この研究活動で得た成果は、学科主催の発表の場が設けられます。この取組を通じて研究のまとめ方や議論の仕方を修得できます。

ACTIVITY

応化チャレンジの配属決定

2023/10/06

 応化チャレンジプログラムは、卒業に関わる必要単位が十分に取得できている3年次の学生に限定して、早期に研究室での研究活動を体験してもらう取り組みです。次年度の卒業研究で所属を希望する研究室に早く馴染みたい、あるいは多分野の研究を体験してみたいなどのさまざまな要望に応えることが可能なプログラムです。取組の最後には発表会を実施します。短期間の研究ではありますが、発表を意識した緊張感のある研究活動が実施できます。
 今年度は、無機多孔体や人工光合成に関連した合成実験、電気伝導性材料やカーボンナノチューブに関連した測定実験、シミュレーションの実施、タンパク質など生体材料を使った実験が設定されました。今年度は6名の学生が5つの研究室に配属し、研究活動にチャレンジすることになりました。12月までの約3ヶ月間を使って研究を実施し、1月末の発表会を見据えながら実験を積み重ねていきます。

昨年度の応化チャレンジ発表会の様子1

昨年度の応化チャレンジ発表会の様子2

チャレンジ研究、実施報告1

2023/12/21

 チャレンジ研究のテーマはタンパク質と金属イオンを混合することで架橋体を作製し、その中に薬剤を閉じ込めることができるかという研究です。架橋体の作製条件の検討からはじめ、薬剤モデルとした色素は化学構造を基に選択しました。架橋体を調製すると同時に色素を混合した場合と調製後に混合した場合で架橋体と色素の間の吸着力に違いが生じるかについて検討することとしました。化学構造を考慮すると、色素を加えるタイミングによって何と何が優先的に化学結合するかを予想することができます。実際の吸着力は色素濃度を測定する分析装置で検討しています。
 週に1回の活動ながら、何回か実験を行うと研究にも慣れてきた様子で、研究室の卒業研究生と一緒に研究活動を行っています。

分析準備の様子

卒業研究生と混ざって研究を行う様子

チャレンジ研究、実施報告2

2023/12/21

核酸の構造評価をしている様子

 こちらは、多くの分野の研究を体験してみたいという思いから、このチャレンジプログラムに参加した学生です。当研究室では核酸を扱ったことがなく、化学素材としてどのような性質なのか実感がありませんでした。今回、チャレンジの良い機会を得たと思い、DNAの二重らせんの基礎的知見を得る実験を計画しました。これはウイルス検査で一躍有名になったPCRにも関与することです。
 まず、フルーツからDNAを採取することを実施しました。いくつかの採取手法を調査?検討し、DNAサンプルを効率的に得る方法を検討できました。DNAの二重らせんは熱によってほどけ、1本鎖になります。調査の結果、この様子は核酸に蛍光色素を作用させることで評価できることがわかりました。実際に蛍光スペクトルを用いてDNAの構造を評価してみると波形の変化が生じ、核酸の構造が熱で変わることの実感を得ることができました。どの分野で研究するにおいても重要な調査と実践の工程を体験してもらうことができたと感じています。

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